アルコール依存症症状
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薬物依存 はアルコールだけではない? 対象薬物によって異なる症状!

公開日
更新日

 
執筆者:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
 
医療監修:株式会社 とらうべ
 
 
アルコールも含めた 薬物依存 は、アメリカ精神医学会による『精神疾患の分類と診断の手引き(最新版DSM-5)』では、物質関連障害および嗜癖性障害群に分類されています。これら、いわゆる「クスリ系」と呼ばれる 薬物依存症の症状とはどんなものなのでしょうか。
 
 

薬物依存とは何か 対象になる薬物は?

依存性薬物の乱用をくり返すと、「やめようと思っても簡単にはやめられない生物学的状態」に陥ります。これが 薬物依存症です。一般的には「身体依存」と「精神依存」が指摘され、身体依存は、ある薬物が身体に入っている時にはさほど問題を感じないものの、切れるとさまざまな症状が出てくる状態を指します。禁断(離脱)症状などは典型的です。
一方、精神症状は、「渇望」といって、その薬物を欲しいと強く願う状態をいいます。たとえば、ニコチンには身体依存性は軽微ですが、強い精神依存があるといわれています。
冒頭に挙げたDSM-5では、アルコールを含めて10種類の薬物が、物質関連障害群の対象に指定されています。
 
・アルコール
・カフェイン
・大麻:麻薬、興奮系。1980年代からは合成大麻(危険ドラッグ)も出回っている
・幻覚薬:ケタミン、フェンサイクリジン、LSD、MDMA(エクスタシー)などの麻薬
・吸入剤:トルエン、アセトンなどの有機溶剤を含む毒劇物
・オピオイド:ヘロイン、モルヒネ、コデインなどの抑制系の麻薬
・鎮静剤、睡眠薬、抗不安薬:病気の治療に使われるさまざまな処方薬など
・精神刺激薬:コカイン(麻薬)、アンフェタミン(覚せい剤)、メチルフェニデート(向精神薬)など
タバコ:ニコチン
・その他
 
 

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薬物依存の症状は 対象薬物によって症状は違うのか

依存している薬物のタイプによって症状はさまざまです。興奮系か抑制系か、耐性の強さ、身体症状と精神症状の強さ、乱用時の主症状、離脱時の主症状(禁断症状)、精神病をひき起こす作用としての「精神毒性」など、ほんとうに多様ですので、詳しくは以下のURLを参照してください。
http://health.goo.ne.jp/medical/10420200
 
 

薬物依存の原因は?

 
薬物依存症は何より薬物の作用から生じるので、性格的に弱くて偏屈な人だけでなく、誰もが陥る可能性があります。薬物がすでに中毒症状を来し、脳や身体に病的変化を起こしている場合は、そういった状態自体が、さらなる依存性促進の原因となってしまいます。また、原因薬物が脳や身体にきたす影響要因については、遺伝性、慢性的な抑うつ、不安定な人間関係、生活環境、ストレスなどが指摘されています。
さらに、廣中直之(医学博士)は、「私の中には、もっとすごいチカラが隠れている」と主張したい気持ちと、「自分の奥底までさらけ出して、誰かと深いレベルで自分とつながってほしい」という願望と、 薬物依存には二つの願望が根底にあると指摘しています。空虚や孤立といった生き方(の歪み)を原因とみなす考え方といえるでしょう。
 
 

薬物依存の治療法は?

 
いったん 薬物依存症と診断されると、治療は非常に困難といわれています。どの治療法がよいのか目安が存在しないという専門家もいます。そんな中、現時点で実施されている治療法は、薬物療法、認知行動療法(心理療法)、心理・社会的介入と大きく3つに分類されます。
 
 

<薬物療法>

依存症は数ある精神疾患の中でも、薬物治療が最も効かない分野とも言われています。離脱症状を楽にする薬、依存物質の摂取を不快と感じさせるクスリ(抗酒薬、禁煙補助薬など)が代表的です。
 
 

<認知行動療法>

うつ病治療で有名な認知療法ですが、依存症の人たちも特定の思い込みの強い人が多いということや、自分の依存性を過小評価したり正当化したりといった、不適応な認知を修正するために認知行動療法が実施されています。とりわけ、マインドフルネス認知療法、メンタル・コントラスティング法が断酒や禁煙のための心理療法として注目されているようです。
 
 

<心理・社会的介入>

動機づけ面接法、ストレスからのコーピングスキルトレーニング、集団療法、自助グループなどがあります。著名な活動として、AA(アルコホール・アノニマス)、GA(ギャンブラーズ・アノニマス)、NA(ナルコティック・アノニマス)、ダルク、久里浜医療センターなどがあります。
 
 
<参考>
『DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引き』医学書院、2014.
和田清『依存性薬物と乱用・依存・中毒』星和書店、2011.
岡本卓、和田秀樹『依存症の科学』科学同人、2016.
 
 
<執筆者プロフィール>
山本恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛
生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサー
ビスなどを提供する株式会社とらうべ副社長
 
 
<監修者プロフィール>
株式会社とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
 
 

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